エクソソームと
ヒト幹細胞培養上清液の違いは?
「エクソソーム美容液」と 「ヒト幹細胞培養上清液を配合した美容液」。 似た文脈で紹介されるため、 同じ成分のように見えるかもしれません。 しかし、 エクソソームと培養上清液は同じものではありません。 この記事では、 培養上清液・細胞外小胞(EV)・エクソソームの関係から、 美容液の商品説明に出てくる 「10%」「50%」などの数字の読み方まで整理します。
結論|培養上清液と
エクソソームは別のもの
ヒト幹細胞培養上清液は、 幹細胞を培養した後に得られる液体。 エクソソームは、 細胞が放出する細胞外小胞の一種です。
培養上清液の中に細胞外小胞が含まれることはありますが、 「液体全体」と 「その中に含まれ得る粒子」を 同じものとして扱うことはできません。
美容液では、 「幹細胞培養上清液」 「エクソソーム」 という言葉が同じ商品説明の中に登場するため、 混同しやすくなっています。
まずは、 培養上清液という液体の中に、 さまざまな分泌物や細胞外小胞が含まれ得る という関係を押さえておくと理解しやすくなります。
3つの言葉の関係を図で理解
専門用語が多いので、 まず大まかな流れから確認します。
培養上清には、 タンパク質などの可溶性因子や、 細胞外小胞(EV)などが 含まれ得ます。
培養上清液 = エクソソーム ではありません。
培養上清液という液体の中には、 さまざまな分泌成分が存在します。 その一部として、 細胞外小胞が含まれる場合がある、 という関係です。
培養上清液・細胞外小胞・
エクソソームの違い
| 用語 | 大まかな意味 | 美容液を見るポイント |
|---|---|---|
| ヒト幹細胞培養上清液 | 幹細胞を培養した後、 細胞を除いて得られる上清や、 それを加工した原料 | 細胞の由来、 原料名、 配合量などを見る |
|
細胞外小胞 (EV) |
細胞から放出される、 脂質の膜で囲まれた粒子の総称 | 由来、 原料の説明、 分離・精製情報などを見る |
| エクソソーム | 本来は細胞内の特定の生成経路を経て 放出される細胞外小胞を指す言葉 | 名称だけで判断せず、 メーカーがどのような原料として説明しているかを見る |
ヒト幹細胞培養上清液とは
幹細胞を培養すると、 細胞は培養環境の中へ さまざまな物質を分泌します。
細胞そのものを取り除いた後に残る 培養液の上澄みが、 一般に培養上清液と呼ばれます。
そこには、 培養条件や処理方法によって、 タンパク質などの可溶性成分や 細胞外小胞などが含まれ得ます。
細胞外小胞(EV)とは
細胞外小胞は、 細胞から放出される 脂質二重膜に囲まれた粒子の総称です。
英語では Extracellular Vesicles(EVs) と呼ばれます。
エクソソームとは
研究上の厳密な意味では、 エクソソームは 細胞内のエンドソーム系を経て形成され、 細胞外へ放出されるEVを指す言葉です。
そのため、 小さい細胞外小胞なら すべてエクソソーム、 という意味ではありません。
実は「エクソソーム」という言葉にも
注意点があります
美容分野では、 「エクソソーム」という名称が 広く使われています。
一方、 研究分野では、 細胞外小胞を分類するときの名称は もう少し慎重に扱われています。
国際細胞外小胞学会の MISEV2023では、 生成経路を明確に確認できない場合、 より広い 細胞外小胞(EV) という言葉を使う考え方が示されています。
これは、 分離した粒子を調べても、 その粒子が細胞内のどの経路を通って形成されたのかを 完全に確認することが簡単ではないためです。
「エクソソーム」という名称だけでは、 原料の由来・量・精製方法・ 美容液全体の処方までは分かりません。
美容液を比較するときは、 商品名だけでなく、 メーカーが公開している原料情報や 全成分表示も合わせて確認しましょう。
「培養上清液10%」は
「エクソソーム10%」ではない
美容液の商品説明を見ると、 「10%」 「50%」 といった数字が目に入ることがあります。
ここで重要なのは、 何を10%配合しているのか です。
培養上清液10%
美容液全体の中に、 培養上清液という原料を 10%配合している、 という意味です。
その10%すべてが エクソソームという意味ではありません。
エクソソーム○%
このような表示を見る場合は、 何を基準に割合を算出しているのかまで 確認する必要があります。
原料の配合割合なのか、 別の濃度表現なのかによって 数字の意味は変わります。
数字の大きさではなく、 「何の割合なのか」を読む。
エクソソーム系美容液を比較するときに、 特に重要なポイントです。
「ヒト幹細胞培養上清液」には
幹細胞そのものが入っている?
「ヒト幹細胞」という言葉が入っているため、 美容液の中に ヒトの幹細胞そのものが入っていると イメージする方もいるかもしれません。
「ヒト幹細胞培養上清液」という名称は、 幹細胞そのものを美容液へ配合している、 という意味ではありません。
幹細胞を培養した後に得られる 培養上清を利用する原料です。
実際の化粧品原料では、 培養後に濃縮・精製・ろ過などの工程が 行われる場合があります。
原料の仕様は、 商品や原料メーカーによって異なるため、 すべての培養上清液を 同じものとして考えることもできません。
商品説明で混同しやすい
3つのポイント
01|培養上清液=エクソソームではない
培養上清液は 複数の分泌物を含む液体です。
その一部に細胞外小胞が 含まれ得るという関係なので、 両者を同じものとして扱うことはできません。
02|「10%」だけでは中身は分からない
10%という数字だけでは、 エクソソームの割合なのか、 培養上清液という原料の割合なのか 判断できません。
数字の対象を必ず確認します。
03|「ヒト幹細胞」は細胞そのものとは限らない
ヒト幹細胞由来成分という表現があっても、 化粧品へ生きた幹細胞そのものを 配合しているという意味ではありません。
成分名だけで優劣を決めない
同じ「エクソソーム美容液」でも、 基材、保湿成分、整肌成分、 使用量、価格などは異なります。
美容液全体で比較することが重要です。
STEMORAの「10%」は
何を意味する?
STEMORA ブーストEXO美容液は、 公式で ヒト幹細胞培養上清液を合計10%配合 と案内しています。
内訳は次の2種類です。
合計10%は、 「エクソソーム10%」 という意味ではありません。
2種類の培養上清液という原料を、 合計10%配合しているという意味です。
STEMORAではさらに、 基材に肌麹水®を使い、 ナイアシンアミド、 VCエチル、 ビタミンB群、 アミノ酸なども組み合わせています。
公式では、 美容液全体の 95%が保湿・整肌成分 と案内されています。
つまり、 STEMORAを見る場合も 「エクソソーム」という言葉だけではなく、 培養上清液の配合量と 美容液全体の構成をセットで見る 方が商品の特徴を理解しやすくなります。
医療のエクソソーム研究と
化粧品は分けて考える
エクソソームについて調べると、 再生医療や疾患に関する 研究情報が検索結果へ出てくることがあります。
しかし、 研究で扱われる製剤や投与方法と、 肌に塗る化粧品は同じ条件ではありません。
医療分野で研究されている エクソソームの情報を、 そのまま美容液の効果として 読み替えることはできません。
美容液を見る場合は、 「細胞を再生する」 「治療する」 という見方ではなく、 商品が化粧品として案内する 保湿・整肌・肌をすこやかに保つ といった範囲で確認します。
※化粧品の使用感や肌との相性には個人差があります。赤み・かゆみなど異常が続く場合は使用を中止し、必要に応じて医療機関へ相談してください。
エクソソーム美容液の商品説明を読む
5つのポイント
「エクソソーム配合」 という言葉だけでは、 美容液の違いを十分に比較できません。
候補の商品が見つかったら、 次の5項目を順番に確認してみてください。
脂肪、臍帯、さい帯血など、 由来が公開されているか確認する
似た言葉を同じ意味として扱わない
10%・50%などの数字を見たら、 何を何%配合しているのか確認する
ナイアシンアミド、 ビタミンC誘導体、 ヒアルロン酸、 発酵由来成分など 美容液全体を見る
内容量、 1回の使用量、 使用する順番、 続けた場合の費用まで確認する
成分名だけで 「どちらが上」と決めるのではなく、 商品全体で比較する。
言葉の違いを理解した後は、 実際の商品を同じ条件で比べると 違いが見えやすくなります。
美容液を選ぶ基準そのものを知りたい方は、 エクソソーム美容液の選び方 も参考にしてください。
エクソソームと培養上清液について
よくある疑問
Q. エクソソームとヒト幹細胞培養上清液は同じものですか?
同じものではありません。培養上清液は細胞を培養した後に得られる液体で、その中にはさまざまな分泌成分が含まれ得ます。エクソソームは細胞外小胞の一種を指す言葉です。
Q. ヒト幹細胞培養上清液の中にはエクソソームが入っていますか?
含まれる可能性はあります。ただし、その量や種類は細胞の由来、培養条件、分離・精製工程などによって変わります。「培養上清液」という名称だけで一定量のエクソソームが含まれるとは判断できません。
Q. 培養上清液にはヒトの幹細胞そのものが入っていますか?
「培養上清液」は、幹細胞を培養した後に得られる上清を利用する原料です。幹細胞そのものを美容液へ配合するという意味ではありません。
Q. 「培養上清液10%」ならエクソソームも10%ですか?
いいえ。培養上清液10%は、その培養上清液という原料を美容液に10%配合していることを示します。その10%すべてがエクソソームという意味ではありません。
Q. エクソソームと培養上清液はどちらが良いですか?
言葉だけで優劣を決めることはできません。原料の由来、配合量、その他の保湿・整肌成分、使用感、価格など、美容液全体を見て比較する必要があります。
Q. エクソソーム美容液は再生医療と同じものですか?
同じものではありません。医療で研究される製剤や投与方法と、肌へ塗る化粧品では目的・使用方法・評価方法が異なります。
Q. エクソソームという表記があれば高品質ですか?
名称だけでは判断できません。原料の由来、配合表示、美容液全体の成分構成、使用方法などを合わせて確認してください。
Q. STEMORAの10%はエクソソームの濃度ですか?
いいえ。STEMORAが示している10%は、ヒト脂肪由来間葉系細胞順化培養液5%とヒト臍帯由来間葉系細胞培養上清液5%を合わせた、ヒト幹細胞培養上清液の配合量です。
まとめ|「培養上清液」と
「エクソソーム」を分けて読む
ヒト幹細胞培養上清液と エクソソームは、 同じものではありません。
培養上清液は、 細胞を培養した後に得られる液体。 エクソソームは、 細胞が放出する細胞外小胞の一種として 使われる言葉です。
美容液を比較するときは、 「エクソソーム配合」 という言葉だけに注目せず、 何由来の原料なのか、 何を何%配合しているのか、 そのほかにどのような成分が入っているのか まで確認してみてください。
特に、 「培養上清液10%」を 「エクソソーム10%」と読み替えない ことが重要です。
言葉の違いを理解したら、 次は実際の商品を 同じ条件で比較する。
価格、 容量、 配合内容、 使う順番まで並べると、 自分が重視したいポイントが 見えやすくなります。
※本記事は化粧品を選ぶ際の用語理解を目的としています。医療上の診断・治療について解説するものではありません。
※商品の配合成分や表示内容は変更される場合があります。最新情報は各メーカーの商品ページをご確認ください。
関連記事
制作:はまちゃんねる運営